今回は、ロンドンのKensington地区にある、日本の文化を発信するギャラリー&ショップ併設の施設「Japan House London」で、7月末から始まったピクトグラム展をご紹介します。
「なぜJapan Houseでピクトグラム?」と思われるかもしれませんが、実はピクトグラムは1964年の東京オリンピックがきっかけで、国際的に整備されるようになったのです。
この大会で、世界中から日本に訪れる人々が言語の壁を越えて情報を瞬時に理解できるよう、日本デザインセンターのデザイナーチームが競技や施設を示すピクトグラムを開発しました。これは世界初の包括的なピクトグラムセットであり、後のオリンピックや国際的な公共サインに大きな影響を与えました。
展示では、当時の制作秘話も紹介されています。例えば、選手村に設置された「シャワー」のピクトグラムは、当時日本ではまだ一般的でなかったシャワーをどう視覚的に表現するか、実際に使ったことがない中でどうデザインしたのかといった、興味深いエピソードがインタビュー映像を通して紹介されています。
また、日本にはもともと、複雑な概念をシンプルな視覚表現に落とし込む文化があります。その一例が「家紋」。家系を識別するために用いられ、遠くからでもすぐに認識できるようデザインされています。
そして、みなさんもご存知の「emoji(絵文字)」も、**「絵(e)」+「文字(moji)」**という日本語から生まれた言葉。いまや世界中で使われる視覚言語の一つになっています。
ちなみに、2021年の東京オリンピックでは、1964年のピクトグラムをオマージュしたアニメーションによるパフォーマンスも披露され、大きな話題を呼びました。
会場では、拡大されたピクトグラムと一緒に写真を撮れたり、自分だけのオリジナルピクトグラムを作れたりと、参加型の展示も充実。イギリスに住むティーンエイジャーが考えたピクトグラムを、日本デザインセンターのデザイナーがブラッシュアップし展示しているコーナーもあり、子どもから大人まで楽しめる内容になっています。
さらに、新幹線やラーメンの種類ごとにピクトグラムが存在するなど、日本独自のユニークな事例も紹介されていて、とても面白いです!
ロンドンにいる方は、ぜひこの機会に訪れてみてください。
日本のデザインと視覚言語の魅力を体感できる素敵な展示です。

