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なぜロンドナーは一番安い映画館に行かないのか?

日本に生まれ育ち、日本では映画配給会社で激務の日々に追われた私は、ある日海外逃亡を決意!心が疲れ果てても映画は変わらず好きだった私は、字幕なしで映画を見ることを目標に、英語圏ということだけを理由にロンドンを選択。そして、最初にありつけた職は映画館勤務。暇があれば映画館で映画を見る(時間を潰す)という日々を送っていた人間が送る、ロンドンの映画事情です。

 

ロンドンに降り立つ前の私は、「一番安い映画館に通い続ければいいのだ」と確かに思っていた。日本でいう”一番館”=”最新作を流す映画館”が、ほぼ全て値段が一律である日本から来た私からすれば、いまいちロンドンの映画館の成り立ちがわからなかったのだった。

 

しかし、ロンドンの映画館はそれぞれに個性がある。また値段が高くても、その分、そこでしか見れないものがある。映画館だって、ビジネスなのである。その個性と個人的おすすめの映画館をいくつかピックアップしたい。

 

First choice: BFI Southbank

まずは欠かせないのはBFI southbank。BFI:英国映画協会が保有するロンドン随一の映画好きが集う施設である。図書館やライブラリーなども所有し、世界三代映画祭を次いで、ヨーロッパの中ではかなり華やかな顔ぶれが揃うLFF:ロンドン映画祭の開催場所でもある。イギリス最大のスクリーンサイズを誇るBFI IMAXの没入感はぜひ一度体験してほしい。

BFIのチケット価格は、値段がは約16ポンド前後だが、Under 25割、会員への割引(会員への最大特典として、毎年有名な俳優たちがゴロゴロとやってくる為、かなりのチケット争奪戦となるLFFの優先購入権が与えられる。)なども見受けられる。上映されているラインナップは、フィルムライブラリーとしてのBFIだからこそとも言えるが、何かの新作に合わせて、同時に監督過去作などを上映して’作家主義’を尊重し、そのために足を運ぶ映画ファンも多い。また監督のQ&Aが頻繁に行われているのも特筆しておくべきだろう。

 

Next choice: Prince Charles Cinema

次にロンドンを感じるPrince Charles Cinema。もちろん現在国王であるチャールズ3世から冠した映画館は、少し前に取り壊しの危機に陥ったが、多くの署名が集まり無事に事なきを得たロンドナーから深く愛される映画館だ。日本でいう’二番館’的役割も強く、多くの旧作・古典のフィルム上映などを行っている。私の知る限りでは、定期的にオールナイト上映を行っているのはこの映画館のみである。またシリーズマラソン(直近ではツインピークスマラソン!)なども開催し、BFIが教育的面、もしくは”イギリス”の映画文化成長を背負う映画館であるならば、こっちは映画オタクが、だらだらと語り合いながら、夜な夜な、もう何度見たかわからない、大好きな映画を見に行く、庶民派な、しかし、しっかりと映画愛が詰まった映画館である。

Others:

 

そして地元に愛される映画館を幾つか紹介したい。Rio cinema、the castle cinema(チャーリーxcxがインタビューにて’私が通う映画館’とも言っていたが、彼女の姿を見たことは一度もない)、そしてGenesis cinemaなど。「地元の映画館を支える」ためにそれらの映画館に通うのも、立派な理由の一つだと思う。

Rina