この記事は2024年7月に初出掲載されました。
10年──それは521週、3,650日、87,600時間。時間の単位で換算すると実感が湧いてきますね。
自分たちの会社が10周年を迎えたと気づいたとき、正直なところ驚きました。まるで、子どもが気づけばティーンエイジャーになっていたような感覚。あっという間でした。
この節目を迎えたいま、まるで“年末の儀式”を何倍にも濃縮したかのような気持ちで、少し立ち止まって振り返ることにしました。なぜなら、過去をちゃんと見つめ直すことが、未来と向き合うための唯一の方法だと思うから。
10年前に僕が立ち上げたこのクリエイティブ・ビジネスについて、改めて思うこと、学んだことをここに記しておきたいと思います。
■「大きさ」より「偉大さ」を選んだ
この10年間をざっくりまとめれば、シンプルな話かもしれません。僕たちは、規模よりも質を重視した“偉大な”会社を目指してきました。大きな案件も、小さなニッチなプロジェクトも扱い、名の知れたブランドと仕事をし、素晴らしい才能にもたくさん出会いました。
「大きくなる」よりも「素晴らしくある」ことを選んだのは、意図的な選択でした。この姿勢があったからこそ、私たちは自分たちの“サイズ”以上の力を発揮できてきたと信じています。
■乗り越えてきた嵐、出会ってきた光
嵐はたくさんありました。経営陣の交代、空白期、精神的な苦悩、人材の流出と再会、パンデミック、家賃や物価の高騰、景気後退、そして最近では、創業以来初めて、クライアントからの未払いにも直面しました。小さな企業にとっては大打撃でしたが、それでも、すべてのチームメンバーとサプライヤーへの支払いは済ませていました。それが僕たちのポリシー。「正しい側にいたい」と思っています。
一方で、世界トップレベルの才能やアスリート、セレブと一緒に仕事をしたり、世界中で撮影をしたり、感謝のハグをクライアントからもらったり──最高の瞬間も数えきれません。
■10年を経て学んだこと
これは自己アピールのつもりではなく、むしろ自分自身のために書き始めた記録です。書いているうちに「これって誰かの役に立つかも」と思ったので、思い切って公開することにしました。
以下は、あくまで僕個人のリアルな気づきです:
正直さと透明性が、最も安全なビジネス戦略。
約束は控えめに、成果は期待以上に。絶対にごまかさない。「完璧」より「卓越性」を。
完璧を追い求めると苦しくなる。限界を超えることでしか進化はない。どんな感情も、必ず通り過ぎる。
キャリアが終わったと思った瞬間も、後から見ればすべて転機だった。共感力は最強のビジネススキル。
クライアントの立場に立てる人は、信頼され、選ばれる。営業はビジネスの心臓。
仕事は“待つ”のではなく“作る”もの。自ら動かなければ何も起こらない。思いやりとエネルギーが人を惹きつける。
僕はこのスタイルしか知らないけれど、これが一番だと思う。「おはよう」と「ありがとう」は魔法の言葉。
撮影現場では、全スタッフに挨拶し、全員に感謝を伝えるようにしています。それだけで空気が変わる。リアルな対面が、やっぱり最強。
ロンドン・ソーホーのような距離感の中でこそ、クリエイティブは生きる。一人では成功できない。
かっこいいミッションより、行動の方が雄弁。
華やかなスローガンより、日々の誠実さが大事。クリエイティブは、コミュニケーションからしか生まれない。
ちゃんと気づいていれば、いつでも学べる。
小さな勝利でも、お祝いしよう。
プロジェクトが決まったら、チームでテーマソングを流して盛り上がる。それが次の原動力になる。間違ったら、ちゃんと認める。
自分の成長をちゃんと認めてあげることも忘れずに。
プロセスと構造が、ビジネスを強くする。
新しいテクノロジーは、恐れず受け入れる。
変化を拒むのはリスク。
■未来を、ちゃんと生きるために
最後に。
僕がこの10年を振り返って最も強く感じるのは、「これからの10年を、ちゃんと意識して生きたい」ということです。
子どもと過ごす時間と同じように、人生の舵を他人任せにせず、自分の手でしっかり握っていたい。
いつか振り返ったとき、「ちゃんとそこにいた」と自信を持って言えるように。
ここまで読んでくれてありがとう。
少しでもヒントになったなら嬉しいし、ただの“おやつ的読み物”でも全然構いません。
もし誰かの役に立ったら嬉しいです。また、仕事の連絡やこの記事の感想でもご気軽に連絡頂けたら嬉しいです。