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イギリスの舞台芸術事情〜日本との違い

イギリスと言ったら芸術、特に演劇、ミュージカル、バレエ、オペラ、などの舞台芸術と考える人は多いんではないでしょうか。ロンドンに観光に来たら必ずWest Endのミュージカルを観に行く!という人がかなりいる印象です。

 

なので今回はイギリスと日本の舞台芸術事情を紹介できたらと思います。

イギリスに比べたら、日本で舞台を見るのはすごく特別なイベントという印象を受けます。上演期間は短いものが多かったり、何と言ってもチケットの値段が高かったり、そもそもいつもチケットが売り切れてて買う機会がなかったり、、


その一方で、特にロンドンではロングランのものが多く、毎日何かしらのミュージカルや劇が上演されてます。チケットももちろん席によりますが、安くて25ポンドで観れたり、当日券も豊富なので、友達と「ねえ、今日暇?あのミュージカル観ない?」って言ってその日の予定が決まったり。日本より気軽に舞台に観に行けて、もっと身近なものとして捉えられるのではないでしょうか。



私自身バレエをやっていたので、バレエ団の内部の事情を聞くとかなり日本とイギリスで差があるように感じます。例えば、日本のバレエ団だと、助成金や寄付で賄い、ダンサーは給料制ではなく公演ごとの歩合制で、団費(月会費のようなもの)を支払う場合も多く、生活のためにアルバイトが必要なダンサーもいるなど、経済的に厳しい運営状況にあることが多いです。バレリーナに必須なトウシューズも1足1万円ほどするのにもかかわらず、バレエ団は支給せず自費で払わないといけないと聞いたこともあります。トウシューズは持っても1カ月で、数日で潰れることもあるので、トウシューズだけで毎月10万円ほど自費で払わないといけないことになります。日本で唯一の国立バレエ団である新国立劇場バレエ団はちゃんとした給料に加え、トウシューズも支給されると聞いたことありますが、公演数もそれほど多くないため(例:2025/2026シーズン「くるみ割り人形」全18公演)、やはり主役級クラスではない限り、日本のバレエ団に入団しても生活が苦しいという現実があります。



一方で、イギリスのバレエ団の場合、給料制がほとんどで、国立のバレエ団は5つあり、公演数もかなり多い印象です(例:英国ロイヤルバレエ団2025/2026シーズン「くるみ割り人形」全32公演)。トウシューズ費はもちろん支給され、団員一人一人にトウシューズ棚が用意され、必要ならオーダーメイドで作ってもらえるとのこと。その他トレーニング、治療、メンテナンス、リハビリなどにかかる費用も補ってもらえるらしいです。日本に比べ、イギリスのバレエダンサーは比較的安定した生活を送れるのが明らかです。

(https://www.worldofinteriors.com/story/pointe-shoe-craft-room-royal-ballet-opera-london )

やはりこのように比較すると、日本と比べてイギリスでは舞台芸術が文化政策の一環として明確に位置づけられ、観客、劇場、アーティストのすべてを支える仕組みが整っていることが分かります。舞台芸術を「守るべき文化資産」として捉える姿勢こそが、ロングラン公演やダンサーの安定した雇用につながっており、イギリスにおいて舞台芸術が重要視されている大きな理由と言えるでしょう。